『ミニオンズフィーバー』のキーマンの1人、ワイルド・ナックルズ。予告編の2分3秒あたりで、ケビンたちと共にヴィシャス・シックスに立ち向かっていたので、いずれ味方サイドになるんだろうなあと思っていましたが、グルーに大きな影響を与えた重要人物でしたね。



物語はヴィシャス・シックスのシーンから始まり、オープニングが流れるまでは彼らの独壇場だったことから、その存在をアピールしまくってました。


序盤で見せるワイルド・ナックルズの格闘戦と彼の強さは、終盤の戦いの布石にもなっています。

悪党ですが、『仲間と共に悪事を働くこと』が夢で、仲間思いでもあります。『鬼平犯科帳』で言うところの本格派の盗賊(貧乏人から盗んだり人殺しをしない)みたいな感じなんでしょう。
でも長年一緒にやってきたベル・ボトムたちから見捨てられてしまい、ついには残った子分3人にも出ていかれます(子分3人組に関しては、給料の支払いもちゃんとしなかったのでキレられても仕方ないかと…(^^;))。

グルーには最初辛らつに接しますが、子分に去られて寂しく思ったワイルド・ナックルズがグルーをお手伝いとして使うことになったことがきっかけで、やがてグルーの師匠になることに。
2人でタッグを組んで銀行から絵画を盗み出すシーンは面白かったです。迫真の演技を見せるワイルド・ナックルズやてきぱきと絵画を盗み出すグルーは、見てて見事でした。

ヴィシャス・シックスや子分たちの件もあって落ち込んだものの、グルーという弟子を見つけて、新たな生きがいを見つけて意気揚々したワイルド・ナックルズ。でも、留守中にビシャス・シックスに屋敷を破壊されて、傷つき落ち込みます。足下に落ちていたヴィシャス・シックス創設時の写真を見て、怒って落ち込む姿から、悪党だけど仲間思いなのが改めて伝わってきました。そんなワイルド・ナックルズを慰めるグルーもいい感じでした。

意気消沈して、グルーを家に帰すものの、ヴィシャス・シックスに捕まったグルーの危機に現れる場面は感動もの。
「見捨てられてもいい。屋敷を壊されたっていい。でもその子(グルー)には指一本触れさせん!」と言い放ち、ケビンたちと並んで、ヴィシャス・シックスと対峙する場面から始まる最終決戦は、物語の終盤を飾る最高の見せ場でした。
この戦闘シーンはとにかく展開が早くスピード感があって、序盤で見せた金ピカ軍団との格闘戦以上の迫力と強さを見せつけてくれました。
ベル・ボトムの吐く炎をマンホールのふた?で防いだり、龍の体を巧みに上りながら攻撃したり、素早い動きで敵をけん制して攻撃する動きは最後まで圧倒されて見きれませんでした。このあたりはDVDやBlu-rayでじっくり見直そうと思います。

そしてエンディングでグルーをそっと見守る姿にまた感動。ミニオンたちの歌も最初は悲し気だったけど、最後は楽しく希望を感じさせるメロディになって、グルーやミニオンズやワイルド・ナックルズの今後を祝福しているようでよかったです。


予告編で、『怪盗グルーの月泥棒』で出てきたワニ型ソファーがワイルド・ナックルズの屋敷にあったり、ケビンたちと敵に立ち向かっていた場面があったことから、グルーに何かしら影響を与えるキャラだとは思っていましたが、まさかこういった展開になるとは想像できませんでした。しかも月泥棒はワイルド・ナックルズの言葉がきっかけだったとは…。ワイルド・ナックルズが「お前は月を盗め。大きくいけ」とグルーに言う場面は、まさに副題「The Rise of Gru」にふさわしい場面でした。

ワイルド・ナックルズは世間では死亡扱いになり、今後はひっそりと生きていくんでしょう。反悪党同盟の目もあるかもしれないので、グルーのそばにいて指導することはできないでしょうが、続編が出たら何かの形で登場してほしいなあと思います。グルーのピンチに駆け付けるとか…。